ホームコラム映画監督・アニメーター 庵野秀明氏
2016.10.26 イケテル仕事観

映画監督・アニメーター 庵野秀明氏

庵野監督という文字を見ると「エヴァンゲリオン」を連想する方は多いのではないでしょうか。
最近では「シン・ゴジラ」のヒットも話題となりました。実は庵野氏は他にも「風の谷のナウシカ」の原画や「ふしぎの海のナディア」の監督などを手がけており、アニメーターとしてその名は世界に知られています。あの宮崎駿も認める庵野氏の仕事の真髄とは何なのでしょうか。
 
妻で漫画家の安野モヨコ氏によれば庵野氏は自身のことを「自分は作品至上主義者なんだ」と普段の生活から周囲の空気を読まず自身を通す性格とのことで創作に入ればより一層、信念を曲げたり妥協したりは一切しないとのこと。
 
また庵野氏は妻の安野氏の作品に対して「嫁さんの漫画は、漫画を読んで現実に還るときに読者の中にエネルギーが残る漫画なんです。『エヴァ』で自分が最後までできなかったことが嫁さんの漫画では実現されていた」と話されたことがあるそうで、大ヒットした「シン・ゴジラ」ではそんな作品になるようにとメッセージが込められていた気がします。
 
「『新世紀エヴァンゲリオン』でアニメはやり尽くしたという感じがあった。でも行き着いた感があるからこそ、また別のものが生まれてくるのではと自分で思っている。新しいものをつくるためには壁に思いっきりぶつからないと次のところに行けない」と庵野氏は語っています。
 
彼はなぜヒットメーカーたりうるのか。
そこには一貫性のジレンマを越えた庵野氏の絶妙なバランスがあるのではないでしょうか。
 
・周囲に迎合せず自分の信念は一切曲げない、妥協はしないという自分

・今までの自分には実現できなかったものを認め、新しいものを創りたいと思う自分
 
一見すると変わらない自分と変わりたい自分、相反するものを両立したいという葛藤が生じるように思えます。人は「一貫性の原理」のもと自身の行動、発言、態度、信念などに対して一貫していたいと考えそれを裏付けるような選択や行動をとるといわれていますが、この首尾一貫した自分でありたいという欲求は時にジレンマを生みます。
 
たとえばそれは時代の変化とともに変わらざるをえない時、自他ともに変化する必要性を感じる時など。ただコロコロと変わりすぎても周囲からは信用を失い、非難される…。この一貫性と柔軟性のバランスを保つことは簡単ではありません。
 
それを庵野氏は、昔から好きなものをとことん追求している変わらぬ自分であり、昔からずっと同じ自分でなくても自分であることに変わりない。というスタンスをさらりと確立しているように思えます。柔軟性も含めてその一貫性のバランスをとる。
 
皆さんの日々の仕事の中でもこのジレンマは起きてはいないでしょうか。過去と未来の整合性をとりすぎてしまい自分の納得いかない意見に迎合してしまったり、逆に同僚や上司部下の変化を否定的に捉えたりまたは過度に要求してしまったり…。
庵野氏のようにはいかなくとも、自身のちょうど良いバランスを考えてみたいものです。

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