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2017.01.17 エンタメ心理学

オリンピックの心理的効果

これもオリンピック効果というのでしょうか。
最近「 東京オリンピックまでに~する」「東京五輪を目指して~になる」など2020年の東京五輪に絡めた話を見聞きすることは多くないですか? 

本日から吉高由里子主演でオンエアされるテレビドラマ「東京タラレバ娘」はまさにそんな世相を映し出してヒットしている漫画です。アラサー女性3人の現実が赤裸々に描かれ、そんな女性たちの気持ちをストレートに代弁した名言は同世代の女性陣から支持されています。

そこでこんなセリフがあります。「オリンピックまであと6年。その頃、私たちは40歳。もし6年後も今のまま、一人のままだったら。オリンピックでお祭り騒ぎの東京の街を私たちは、どんな顔して歩いているんだろう。」この漫画のヒットとともに独身女性をターゲットとしたビジネス(婚活や妊活、フィットネスなど)では「東京オリンピックまでに」がキーワードとなっているようです。

オリンピック効果を利用して政治も経済も動いているわけですが「オリンピックまでに」というポイントがなぜそこまでフォーカスされるのでしょうか。
心理学者のバンデューラはある状況において適切な行動をとることができるという予測や確信を、自分が物事をコントロールしているという効力に関する信念と定義し「自己効力感」と名付けました。そして人が何か目標達成するためには目標をクリアするための「行動」が必要であり、その行動をとるためにその行動をとれば目標を達成できるとする「確信」が必要だと説いています。つまり目標を達成するために、まずは自己効力感を持つことが前提だというのです。

では自己効力感はどうしたら持つことができるのでしょうか。
それを形成するものとして以下4つの環境要因があげられます。

①成功体験:自分の力で達成したと感じる体験

②代理経験(モデリング):自分と類似する人の成功から自分にもできると感じる経験

③社会的説得:第三者から能力がある、達成可能性が高いと言われる

④生理的・感情的状態:痛みや嬉しい・楽しいなどの感情など

中でも①②の影響が大きいといわれており、②においては自分と類似性が高ければ高いほど影響力が大きく①の体験をカバーする側面もあるようです。

「オリンピックまでに」がフォーカスされるのは、国としてオリンピックの経済効果を最大限活かすべく様々な施策が実施されヒトモノカネが循環する中で、自己効力感を形成する環境が整いやすくなるためなのかもしれません。環境的に③④の条件が満たされる風土が形成され、その中で必然的に自分と類似性の高い環境や条件に合致する人によって②を満たす人が増える確率が高くなり、自身の自己効力感も自然と高まり「目標達成」への確信が持ちやすくなるのではないでしょうか。

企業でも「2020年までに」をキーワードに、3カ年計画を表明する、IPOを目指す、代表交代を考える、M&Aを図る、組織改革を断行する、など様々な大目標を掲げるチャンス と捉えている会社は多いのではないでしょうか。また個人でもそんな社会や会社の動きと合わせて、自身のキャリアやライフイベントでも大きな目標を掲げてみてはいかがでしょうか。

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