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2019.02.28 成長企業の社長が語る組織のDNA
成長企業の社長が語る 組織のDNA Vol.1(後編)

成長企業の社長が語る 組織のDNA Vol.1(後編)

<型を知らなければ、型破りにはなれない。未経験者を早く、確実に育成する型とは?>

JAM:完全固定給という保険業界の常識の逆をいく制度を運用されているというお話をお聞きしましたが、社員の育成についてはどのようにお考えですか?

内野氏:保険業界は2:8の世界だと言われていて、2割の成果を出して生き残る人と、8割の成果を出せずに業界を去っていく人に分かれます。
でも、それだと組織を永続させていくことはできないじゃないですか。100人採用して80人が辞める会社だと倒産しますよね。

であれば、極端ですが100人採用したら100人が育って、100人が活躍するという組織を作らなきゃいけないと思ってます。しかも、うちはフルコミッションではなく固定給のため、その保険業界の常識を持った経験者ではなく、新卒や未経験者を採用することを大切にしています。だからこそ、その未経験者が成果を出せる育成をすることに、非常に力を入れています。

JAM:固定給の人事制度や理念経営だけでなく、採用も保険業界の中では非常識と言われる考え方を実践されているのですね。

内野氏:固定給とか、理念経営とか、保険業界では全く当たり前じゃないですよね。でも、だからこそアセットガーディアンの立ち位置はバイイング・パワーのあるものになっています。理念経営をして、未経験者や新卒を採用しながらも育成して戦力にするというのは、優績代理店の中でもかなり稀有だと思います。

JAM:保険の営業は非常に難易度が高いと思いますが、未経験者や新卒をどうやって育成されているんですか?

内野氏:まずは、他社の保険会社で生き残っている2割のベテラン営業と戦った時に勝ち続けられるように、定性面としてAGハートという企業理念を伝えています。理念を明確化して浸透させて、評価をして、文化・社風まで落としていくっていうことがすごい大事だと僕たちは思っています。

もう1つは定量的な部分です。デファクトスタンダードと言って、公的な標準ではなくて、
僕たち営業マンが失敗事例も成功事例も経験した中で、どうすれば成約につながるのかという本質的な基準を「型」にして新人に伝えています。

JAM成果の出る「型」をつくっているということですね。ぜひ詳しく教えてください。

内野氏:保険会社に入社したら知識の研修を受けるので、知識面は同じ情報を持っているということです。でも、人によって成果が大きく異なる。ということは、Know How(知識)ではなく、Do How(行動の仕方)に違いがあるということです。

そのDo Howは、トップ営業マンの頭の中だけに存在してるわけです。
保険の知識をインプットするだけではなく、どう活かして行動するのかというところが大切で、誰々さん流ではなくて、アセットガーディアン流という型にするからこそデファクトスタンダードになります。成長・成功に向けた型を創造しつづけることを大切に考えているわけなんです。

JAM再現性のある「型」をつくることで、未経験や新卒でも成果が出せるということなんですね。

内野氏:そうです。世の中には守破離という考え方があります。日本での茶道・武道・芸術などにおける、あるべき姿が継承され、かつここまで応用・進化できたベースとなる思想です。

どんな業界でも長く継承されている業界というのは、型があるわけです。
空手も型があるし、歌舞伎も舞の型がある。まずは徹底的にその型をマスターするわけです。そして、その型があるがゆえに、その型と自分との差が分かって、目の前のお客様に合ったより良い型に応用することができます(破)。そして、最終的に自分の型に進化させることができる(離)。
型がなくて、自分の頭だけにある経験値は継承はできないんです。

保険業界で売れている2割の人というのは感性が豊かとか、センスがいいいわけです。
知識をどう活かして行動しているかという「Do」にヒントがあります。
その「Do」って感覚なんですよ。誰にも教えることができません。でも因数分解していくと、どうやら6合目までは同じストーリーで辿り着いているということが分かりました。

JAM:人それぞれ、表現やキャラクターは異なるもののストーリーに共通点があるのですね。

内野氏:はい、その6合目に行くまでの型を徹底的に守ると、成長できるという流れをつくっていきました。型というのは、マニュアルではなく軸となる考え方で、迷った時に立ち戻る場所です。
「型にはめるっていうことは金太郎飴をつくるんですか?」と聞かれることがありますが、大違いです。

型を破るためにも、型を知らなきゃいけないんです。型破りな人間になるためには、型を知らないとなれないんです。武道の達人も基本を知っているからこそ、より応用した技を作り出せるわけです。基本ができていなければ、信頼できないですよね。

型は目標達成に向けた最も大事な考え方であり、お客様の期待値を超える「質」を明確化したものです。型を守ればちゃんと合格点にいける。なぜ言い切れるのか。私やトップ営業マンが何千件とお客様にコンサルティングをしてきた経験を活かして、頭の中を言語化してきたからです。これはものすごくめんどくさく大変です。型を最初につくってから10年以上くらいたちますが、今でもブラッシュアップしています。

JAM:保険の営業は難易度が高いので、60点まではこの方法で登ってという道筋があると新人としてもできるかも、という気持ちになりますね。

内野氏新人で山の麓にいる時には、山の頂なんて雲がかかっていて見えないんです。見えているところは、やり方が分からない、やったことがない仕事という断崖絶壁なわけです。そこで日々、仕事だ、予算だと言われているうちに本当にできるのかなという気持ちになってくる。だから、保険の仕事で頂までいくのは2割になってしまうんです。それだと組織は成り立たない。

100点の頂に行くために、連結している山が図の60点の山です。理念に共感した諸先輩たちが必ず登っている山であると。だから、頂上は雲がかかって見えないかもしれないけど、信じて登ってきてほしいと伝えています。

JAM:この図は非常に興味深いですね。60点の山までは型で登って、60点から100点にいくまでは主体性で登るということですね。

内野氏:本当は主体が一番です。好きに登ってほしいんです。でも麓から「好きに登りな」というと、2割の人しか登れないんです。60点までとれたら、100点までの登り方はいくらでもある。

A店長とB店長が80点だった場合、その2人の60点までの登り方は一緒で80点までいく方法は全く違う。でも店長は、自分の80点のやり方を伝えようとしたくなります。アセットガーディアン では、80点をとる育成をするのではなく、まずは60点をとるための育成をします。60点まではティーチング、60点以上はコーチングです。60点にたどり着いたら、自分なりの80点をどう目指すか。それは主体性に任せます。

JAM:新卒の方は60点に何ヶ月かけてたどり着くんですか?

内野氏:3ヶ月で60点の山まで登って、店舗に配属されてOJTでその60点を磨いていきます。稲盛和夫さんが、仕事の成果=考え方×熱意×能力とおっしゃっていますが、僕たちは圧倒的な考え方を、まず型としてロープレなどで伝えます。本当の60点は現場に行って、成約率、顧客単価などの数値目標とともに実現してもらいます。
ちなみに去年の売上1位は、入社2年目の女性です。

JAM:22歳で、財布の紐を握る主婦の方や社会人歴が長いお客様に、保険商品を売って1位になったというのは、育成が成功している証拠ですね。

内野氏:先輩からしたら、育てるのはかなり大変だと思います。ロープレもかなり回数を重ねるので大変なはずです。でも、先輩もそのまた先輩にやってもらっていて、育てることが文化になっています。

僕は、人が人を育てるのではなくて、文化・社風が人を育てると思っています。
例えば、みんなが気持ちよく働いていて、気持ちよく挨拶している会社に、挨拶ができない人が入ったら挨拶できるようになると思っています。逆もそうで、自分が挨拶をする会社でも誰も返してくれなかったら、自分も挨拶をしなくなります。

それと同じように、アセットガーディアンでは理念に基づいた文化・社風をつくることで、型を徹底的に身につけるサポートをして60点を登るサポートをする。そして、個人も組織も成果を出す組織をつくっています。

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