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2019.04.23 成長企業の社長が語る組織のDNA
成長企業の社長が語る 組織のDNA Vol.3(前編)

成長企業の社長が語る 組織のDNA Vol.3(前編)

成長企業で組織づくりへのこだわりを持つ社長に、同じく成長企業で組織づくりにこだわりを持つ社長をご紹介いただく「組織のDNA」。

Vol.3は株式会社アセットガーディアン 内野社長からご紹介をいただきました。
 
経営と組織づくりの一番のポイントは、「相反すること」の両立。
〜「社員間の良好な関係性」と「健全な競争原理の働く成長環境」を両立させるには?〜

Ⅰ、「健全な競争原理の働く成長環境」をつくるために

まず前提として、会社をつくったのは人づくりをしたかったからです。松下幸之助さんの言葉の影響で起業すると決めたのですが、原体験はアメリカ留学・イギリス留学をしたことです。海外の若者が自立していて、将来の夢や目標を語る姿には非常に刺激を受けました。

日本だと偏差値の高い学校に入ったり、ブランド力のある企業に入るなど、正しい競争かどうかも分からないけれど、皆そこになんとなく乗るという流れがありますよね。

ところが海外に行ってみると、それぞれの人がそれぞれの考え方で、何が自分の人生にとって幸せかを考えて、夢や目標を明確にしてそこに向かって努力していて、しかもその方向性が皆バラバラだけど、お互いを認め合って自立している姿にものすごく感銘を受けまして。

会社の設立を学校を作る気持ちでスタートしているというのが、根本的に他の企業と違うところだと思います。学校の先生や大人が教えなかったことを伝える会社を作ること、それが一番の大きなテーマです。

————組織を実情に合わせる。ピラミッド型組織を壊して成長環境をつくる方法

組織づくりのこだわりの1つとして、ピラミッド型ではなく、会社の実情や現場に合わせて常に組織を大きく変容させることを大切にしています。
一般的には、ピラミッド型の組織を作る方が効率がいいからそうするという企業が多いと感じています。しかも、ピラミッド型の組織で弊害が起きたときに、世の中の企業は現場に合わせて組織をつくるのではなく、組織に現場を合わせにいってしまうということがすごく多いと思います。

そうではなく、組織はいくらでも変えていい。ピラミッド型組織を作ると、役員・部長・課長という職種ができて、既得権益化する。それによって既得権益を守ろうとする人間の心理が働くと、組織が機能しないような状況に陥っていくことが弊害としてあります。それであれば、ピラミッド型の組織を壊してフラット型、アメーバ型の組織をつくることが必要だと考えています。

他の業界の組織づくりも研究しているのですが、秋元康さんはまさに組織をうまくプロデュースしていると思います。例えば、一般的にはAKBを作って人気が高まったら、AKBをより活性化させる方法として、人を入れ替えてみようとか、卒業させて新しい人を入れると思います。

でも、そこから目線をもっと広げると、そもそもAKBの競争相手を作るといいのではという思考ができます。乃木坂を作るとか、国内だけじゃなくグローバルに競争相手をつくっていく。どんどんアメーバ分裂させていきながら全体像を作っていっています。

それによって、一時的にどこかのグループの人気が落ちたとしても、次から次へと新しい人気グループができるから、AKBグループはずっと続くわけじゃないですか。そのやり方というのはEXILEもそうですよね。J Soul Brothersや女性グループを発足させていますよね。

会社経営や組織づくりも一緒で、人事部に50人新卒を採用したかったのに20人しか採れないと、今売り手市場だから厳しいよねという話になります。そうではなくて、僕はアメーバ経営のようにあと2つか3つ採用チームをつくります。

そうすると、必ずすごい結果を出すところが出てくるんです。グループ会社経営もまさに一緒で、いくつかの事業グループ体を作っていくと、今年この8社は調子が良かったけど、この2社は調子が悪かった、来年はこの2社が調子が良かったけど、こっちの8社は堅調な結果だったと、グループ全体で見ると増収増益を保つことができて、マーケット環境やいろいろな経済のリスクをかなり回避できるという状況になっていくんです。そうやって、健全な競争の働く成長環境をつくっていきます。

組織づくりは究極、社長自身がボトルネックになります。社長の頭の中が、組織はこうあるものだと固定化されることによって、実情と合わなくなっても継続してしまう。それが社長の悩みとして多いと感じています。

成長する環境づくりを模索するために、新しい仕組みや仕掛けは常に考えます。でも、それはクリエイティブさとか創造性とか難しいことではなくて、一人ひとりの社員の声に耳を傾けるということが大切だと思っています。本気で全社を変えようと思ったら、私は全員と面談をします。そうすると社員の考え方や、どこの何がボトルネックになっているのかがすごくよく見えてきます。

ピラミッド型組織を壊す方法は、ある程度の大きさになってきたら、フラット化・アメーバ化するなどいろいろあるのですが、もう1つのやり方としては、社長や役員をやりたいという社員を抜擢して新しい会社をつくるという方法もあります。そうすると社員に力強さが出てきますね。

ピラミッド型組織が完全に出来上がったら、社長でさえもその状況は動かすことは難しい。社長が動かせない組織を他の人が動かせるということはあり得ない。社長しか思いきり動かせない可能性があるから、弊害が出ているのであれば社長が会社に変革を起こす必要があると思っています。

後編に続く

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