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2019.05.22 成長企業の社長が語る組織のDNA
成長企業の社長が語る 組織のDNA Vol.4(後編)

成長企業の社長が語る 組織のDNA Vol.4(後編)

<会社は自分でつくる。圧倒的な当事者意識とその文化形成の秘訣>

木村氏:成長という観点で言うと、兼務や抜擢に加えて、会社の情報は全部オープンにしています。

JAM:確か銀行の残高まですべて開示されているんですよね。

木村氏:今回いくら調達しました、だから現預金がこれくらい増えますという話までオープンにします。このあたりは全て連動しているんですが、かなりフラットな組織をつくっていて、手を挙げれば自分で会社を変えられるというのをすごく意識しています。

JAM:例えば、どんな事例があるのですか?

木村氏:「組織の原液プロジェクト」というものが行われています。このプロジェクトは僕自身も気づかないうちに始まっていました。こんなの始まっているので途中から木村さんも混ぜます、と言われて。早く混ぜて!という感じで。

このプロジェクトは、この会社の魅力は何なのか、何が誇らしくて皆ここにいるのかという「組織の原液」を可視化して、それをソーシャルイシューと結びつけて採用のために発信していこうというものです。

JAM:社長が知らない間に、採用に結びつく大切なプロジェクトが始まっていたんですね…

木村氏:そのプロジェクトを始めたメンバーは、採用基準もつくり始めました。おそらく始めたきっかけはその社員が面接で通した人材を僕が不採用にしたからだと思います。なんでこの人は不採用なんだろうと疑問に感じて、自分が通過させた人が採用にならない理由を可視化したいと思い、行動に移したんだと思います。

例えば、会社のバリューである「圧倒的な当事者意識」「尊敬と感謝」「家族に誇れるサービスを」等において5段階でレベルを可視化し、それぞれ何点以上なら合格にしているというフォーマットを作り、試験的に運用を始めていきました。結果として今ではそのフォーマットを改善して、社内の採用基準として運用するようになっています。

 

JAM:誰かから依頼されたわけではなく、やろうと思った人が考えて発信していくんですね。

木村氏:こういう文化はうちの強みだと思います。こういう取り組みがいくつもあるのを皆が見ているので「何かもっと良くしたいものがあったら自分で動けば変えられるんだ」という文化ができてきます。

採用基準を作ったメンバーは事業部長なんですが、採用できないと自分の事業部にも多大な影響がありますよね。そうなると普通の事業部長は、たぶん人事に依頼すると思いますが、そうではなくて自ら変えていくというのがうちの強みだと思います。

JAM:ちなみにそういう取り組みって、知らない間に立ち上がっていて、気づいた時に木村さんからするとこれはないだろうというものはあるんですか?

木村氏:ほぼないです。完成度のレベルから「ここの運用に不具合が出そうだからもっとこうしたほうがいいよ」という改善が必要なことはありますが、それならやめようみたいなことはあまりないですね。失敗するかもしれなくても、そのダメージが少なければやってしまえと思っているタイプなので。

JAM:ということは、皆さんの価値観や仕事において目指す基準が高いレベルで一致しているということだと思うんですが、どうやってその状態を作ったんですか?

木村氏:僕自身が組織を作る上で一番意識しているのは自分からの発信で、かなり多くの発信を今まで全体にしてきました。本当に力を入れていた時期は毎日やっていましたし、今日も発信しています。皆が入っている全体チャンネルに自分が大事にしている思いとか、新規事業はこうじゃないとうまくいかないよねとか、いろいろなことを今まで発信してきています。

JAM:発信を重要視されているんですね。

木村氏:はい、年末年始は個別に皆にメッセージを送っていますし、かなりウェットな組織だと思います。社員数人で一緒に住んでいる人もいます。部活動も盛んで、そういう仕事以外の繋がりは大事にしています。どこまでこれがやれるのかは分かりませんが、できる限り継続していきたいですね。

 

JAM:木村さんからの発信以外に組織文化づくりのために行われたことはありますか?

木村氏:ちゃんと皆を信用して会社の情報を出したり、皆に採用に関わってもらったりする中でフラットな組織をつくっていきました。採用と、作りたい組織・事業戦略ってセットだと思うんです。

例えば会社の状況は全く分からないのに好きなようにやっていいよと言ったら、全然資金がないのに新規事業をやろうとするじゃないですか。でもそれだと成立しないので、発信しているメッセージと会社としての姿勢を一致させたということだと思います。

JAM:発信することで社員の方たちの納得感が深まっていって、価値観が擦りあっていくことで、ボトムアップで発信されていくものが違和感のないものになっていくんですね。

ちなみに、バリューの中でも特に「圧倒的な当事者意識」を大切にされているということですが、それを決める前にまず土台となる価値観を揃えておく必要があるということでしょうか?

木村氏:すごく大事だと思います。よく皆が能動的に働いてほしい、ボトムアップで意見をもっと発信して欲しい、そのためにフラットな組織にしようという話ってありますよね。でもその組織づくりをする前の、土台がないままでやったらとんでもないことになってしまうと思います。通常、組織はピラミッド構造だと考えられていますよね。だからこそ、前提が違うんだという価値観の擦り合わせはすごく重要だと思います。

JAM: 文化が浸透されてきている今、今後組織づくりにおいてチャレンジしたいことはありますか?

木村氏: 「楽しむ」という要素をもっと入れていきたいですね。楽しむというのは、どうしたらもっと仕事を楽しめるかということなんですが、その中には自主性や仲間との繋がりだったり、当然給料面や福利厚生等いくつかの要素があると思います。

楽をしたいというような文脈ではなくて、自分が自立して、自分が決めた道を正解にしていく過程で、やはり普段から仕事を楽しんでいるというのはとても大事な要素だなと思っています。なので、今後は皆が「楽しんでいる」状態を維持する為に、色々と取り組んで行きたいと思っており、いくつもPJが立ち上がっています。

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株式会社ITプロパートナーズ

代表取締役
木村 直人

設立
2015年2月26日

事業内容
・ITプロパートナーズ事業(起業家・フリーランス支援事業)
・ITプロクラウド事業(在宅ワーカー支援事業)
・ITプロカレッジ事業(オンラインPG教育事業)
・intee事業(新卒向け就職支援イベント事業)

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