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2019.06.14 若手による若手のトリセツ

『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』を若者が読んで

自己紹介

このコラムでは、新卒2年目社員である私土屋佑樹が、自身が若手社員だからこその視座を強みに「若手社員の取扱説明書」を綴ります。第6弾の今回は『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』という本の書評です。この本の帯には「若者のトリセツ」とありますので、私が読まないわけにはいきません。それでは、内容整理に入りたいと思います。

 

『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』が捉える若者の特性

この本では昨今の若者には5つの特性があると示しています。

・過剰忖度
・相対的自意識
・イミ漬け
・時間価値
・ヨコ社会

以上の5つです。それぞれの説明をします。

過剰忖度は、自分の行動が相手に「いいね!」してもらえるかどうか、過度に気にすることです。相対的自意識も過剰忖度に近く、自意識過剰である様です。

イミ漬けとは「それ意味あるんですか?」というような、短期的な意味をすぐに追求してしまうことです。時間価値というのは、時間のコスパを非常に気にするということです。ヨコ社会はフラットな人間関係を志向するということです。

 

その背景と問題点

私が考えるこの背景には、承認不足/過度な計算志向 があると思っています。

過剰忖度と相対的自意識は、人の目を気にしすぎるということに尽きると思います。その原因は承認不足です。成果や能力などの何かの物差しの中での承認でなく、存在承認の不足です。その結果、絶えず承認されて安心していないと、自分の尊厳を保てないと思っている人が多いのではないでしょうか。

イミ漬けと時間価値では、合理性への過剰な信頼があると思います。あらゆる物事をコスパという観点から見て「得」をとろうとする姿勢です。しかし、合理性のあるものが実は非合理で、非合理なものに合理性が宿ることもありえます。そういった認識の不足が招く事態かと思います。

ヨコ社会には、特段問題があるとは思えません。そもそも人間に上下はありません。ただ、企業という利益を追求する機能組織のなかで上下を「あえて」用いて、意思決定するということには自覚的である必要があります。

 

若手とどう接するべきか

この本での若手との接し方の模範解答は、オーソドックスなものです。一般的なマネジメントのセオリーとして、①関係性を作る、②共感を育み心的安全性を担保する、③内発的動機に火をつけるというものがあります。

その3ステップを行う中で、以下のことを意識するべしというものです。⑴「個」を尊重して接する、⑵フラットな目線で関わる、⑶レスポンスをしっかりする というものです。

私自身の感想としても⑴、⑵は非常に納得です。⑶は承認欲求の強さによって対応を変えれば良いと思います。

 

若手の良いところ

生育環境が違うので、もちろん世代間で価値観のギャップはあります。そういう中で「最近の若者は〜」という言説は往往にしてありますが、悪いところだけではないという風にも思っています。

たとえば「思い込み」がだんだん薄れているということです。「こうすべきだ」「こうじゃなきゃいけない」そういった思い込みが減っています。

だからこそ、突飛な行動をしてしまう可能性もありますが、幸福に生きることができます。上下に怯えて能力が発揮されないよりも、フラットな関係の中でのびのび活躍できた方が創造性も高まります。

若者がどんどん減っていく中で、若者との協業は重要性が増していきます。若手との関わり方に悩む人はぜひ、この本を手に取ってみてください。

 

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