ホームコラム「問いの力とイノベーション」UPQ代表取締役 中澤優子さん
2016.04.01 イケテル仕事観

「問いの力とイノベーション」UPQ代表取締役 中澤優子さん

”ほぼ1人家電メーカー”株式会社UPQ(アップキュー)を2015年7月に立ち上げ、その翌月に17種24製品を発表するというこれまでの常識を覆した30歳の女性社長、中澤優子さん。会社立ち上げから2ヶ月でこれだけのラインナップを揃えたということのほかに、その製品の価格やデザイン性という点でも業界内外を驚かせました。2015年の夏のトレンドカラーを取り入れたというターコイズカラーの製品は、国内最安値のスマートフォンから、カメラ、バッテリー内蔵のスーツケース、ヘッドホンに電球まで多岐にわたります。

業界内外を驚かせた彼女のイノベーティブな発想と行動は、今という時代に求められているものであり、多くの人がそうありたい、そうならねばと考えるイノベーティブな人そのもの。中澤さんがイノベーティブである所以はどこにあるのでしょうか。

 

 

「なぜ一人でそんなことができたのか?」「なぜそんなことをやろうと思ったのか?」という多くの問いかけに対して、中澤さんは以下のように答えています。

「やったことがないことや課題をクリアするために、まず行動するのが好き」

前職退社後立ち上げたカフェ(現在UPQと同時に経営中)では

「パンケーキを嬉しそうに撮影するお客さんを見ながら、もっと食の楽しいシーンを増やしたいたいな…とか、高機能のスマホでも使いこなせない人は多いな…などスマホ&人間観察を通して新たな活動につながることもある」といいます。

またUPQ立上げのきっかけを生んだイベントでは、IoT弁当箱「XBen」を企画商品として持ち込み最先端の弁当箱として注目を浴びます。この弁当箱を企画した目的は”ぼっちメシ撲滅”のため。弁当箱に光ったり震えたりする機能をつければお一人様ランチをする人が他の人と交流しやすくなるのではと考えたためだとか。(もちろんお一人様でも楽しめる)

 

 

彼女の発想と行動の原点は何か。それは問いを立てることのように思います。

「今のメーカーは何が課題か?」「どんなものがあったら便利で面白いか?」「人はこんな時何を求めるのか?」様々なシーンで常に問いを立て課題を探しているようにみえる中澤さん。一般論を鵜呑みにせず、まず自分でやってみてクリアしたいという思いが彼女の原動力であり、そのために常に課題を探しそれを解決しにいく。

「人間の建設」(小林秀雄・岡潔著)の一節で「「ベルグソンは若いころにこういうことを言っています。 問題を出すということが一番大事なことだ。うまく出す。問題をうまく出せばすなわちそれが答えだ と。この考え方はたいへんおもしろいと思いましたね。いま文化の問題でも、何の問題でもいいが、 物を考えている人がうまく問題を出そうとしませんね。答えばかり出そうとあせっている。」 と小林氏は語っています。

「答えばかり出そうとあせっている」という状況に心当たりがある方も多いのではないでしょうか。対照的に、中澤さんは「答えは見えない、でもまずはやってみる」人のように思えます。問題を見つけるために常にアンテナを張り、解決すべくアクションする。そのためにも無意識に多角的な問いを立てているのではないでしょうか。

 

 

みなさんは普段から問いをたてられていますか?

イノベーティブな発想や行動とは何かという答えばかり出す前に、まずは身の回りに問いを探してみてはいかがでしょうか。新たな視点がみつかり、問いが生まれ、いつの間にかそれがイノベーティブな発想や行動につながっているかもしれません。

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