2016.07.20 ツカエル組織論

ガリガリ君が生まれるサイクル

蒸し暑い日が続き、そろそろ冷たいものを口にしたい季節になりました。今年に入り値上げCMでも話題を呼んだ赤城乳業の看板商品といえばアイスキャンディーの「ガリガリ君」。今年で誕生35周年を迎えるガリガリ君ですが毎年登場するユニークな新作味は消費者を飽きさせません。常に新しい赤城乳業のガリガリ君はどのように生まれるのでしょうか。赤城乳業で商品開発に携わる人間は若手社員15名程度。固定観念に縛られない自由な発想を若手に求め開発に取り組ませているといいますが、右も左も分からない若手にどうやって売れる商品を生み出させているのでしょうか。

同社の商品開発では「言える化」「ペナルティ制度」という制度が存在するそうです。
「言える化」は、月に数回行われる新商品企画ミーティングの場に各部署の若手も出席し、開発担当、営業担当、製造担当、外部デザイナーがいる場で他部署や外部の意見を聞くと同時に自身の意見を出すというもの。若手はあまり意見が言えないのでは?と思いますが上司が積極的に若手を巻き込み意見を求めるため若手でも尻込みせずに発言できるといいます。
「ペナルティ制度」は、損失をもたらす商品に携わった社員はペナルティが課せられるというもので、このペナルティとは罰金。挑戦したことによる失敗は通常の人事考課とは切り離しており、一度ペナルティとして罰金を払えばその失敗責任は消滅し、むしろ挑戦したことがプラス評価になることもあるのだとか。同社では失敗は新たなチャレンジの通過点という意識が強く、社内風土として失敗も話の「ネタ」として扱われ次のチャレンジへの意欲に繋がっているといいます。
これら制度も注目すべきですが、それ以上にこの制度を運用する「狙いと効果」のサイクルに同社の自由な発想を生み続ける秘訣があるようです。

経営において中長期的なイノベーションのためには「知の深化」と「知の探索」の両方をバランスよく進めていくことが大事であるといわれています。ついつい売れている既存商品にばかり注力したり過去成功したやり方に傾倒してしまいがちですが、同時に新商品や新手法を探し見出していく必要があるという話です。同社人事の方のお話によれば、上記制度は若手社員の育成とノウハウ交換、アイディア競争の意図があり、それを現場の管理職もよくわかっているといいます。先述の「言える化」や「ペナルティ制度」によって若手は商品開発のノウハウや知見を叩き込まれ、他社員の失敗から「知を深化」させていく。一方でベテランも若手の斬新な発想や失敗から刺激を受け「知の探索」ができる。そして各自がそれらを両立することで、育成と健全な競争が成立する。社員は 「Aがあんな味を提案したんだって」「自分はもっとすごいものにチャレンジしよう」「次こそ皆をアッといわせよう」とモチベーションが向上するそうです。

赤城乳業で毎年新たなガリガリ君が生まれる理由、それはその仕組みの「狙いと効果」のサイクルを循環させている成果といえそうです。
制度を運用する人事や制度を主導する管理職が、この効果を知っているのといないのとでは大きな違いがあります。制度の目的とその効果が合致しているか。ただ運用するだけではなく意図した効果が生まれ成果に繋がっているか。その意識がなければ上記の制度も形骸化してしまい、毎年新たなガリガリ君が生まれることはないのでしょう。

今や多くの企業にユニークな制度が存在します。その制度がつくられた背景・目的・ゴールは何なのか、制度を運用する人事や管理職はそれらを把握しているでしょうか。当初狙ったゴールにむけて、制度を使っているメンバーや社内にその効果はあらわれているでしょうか。成果は出ていますか。制度をつくって満足、利用して終わり、ではなくその制度を定点観測し「狙いと効果のサイクル」を循環させていくこと。皆さんの会社ではその制度の狙いと効果を運用するメンバーに求めていますか、また求められていますか?

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