2019.03.11 成長企業の社長が語る 組織のDNA
成長企業の社長が語る 組織のDNA Vol.2(後編)

成長企業の社長が語る 組織のDNA Vol.2(後編)

〜後編〜
<文化は掲げているミッションと言行一致がつくるもの>

JAM:ミッションへの共感は、エントリーマネジメントで面接の時にすり合わせていると思いますが、入社してから日々の仕事の中で薄れたりすることもあるのではないでしょうか。何か工夫されていることはありますか?

中野氏:特別におこなっていることはありません。日頃から「誰のために」を考え話し合う社員が多いからかもしれません。意識はせず、自然に口に出しているように思います。

JAM日頃メンバーから「誰のための仕事なのか」と自然に会話に出ることがまさに文化ですよね。その文化をつくるまでに苦戦されている企業が多いと思いますが、i-plugさんはどのようにつくっていかれたんですか?

中野氏僕をはじめ役員たちも本気でミッションの実現を考えているからだと思いますよ。

JAM:社長と役員陣の、ミッションに対するコミットの強さが社員に伝わっているということですね。

中野氏:伝わっているんじゃないかなと思います。ミッションを大切にするために、お客さんを一番優先してきたので。たとえば、適切な料金でサービスを提供すること。OfferBoxの価格は抑えて提供しております。
でも、そうするとスタートアップの時期って絶対お金が足りなくなりますよね。ではどうするのか。まず役員の給料を下げます。僕含めて役員の優先順位が一番下だからです。

数字も、お金も、日々の会話とかも、その順番通りの行動をして連動していたら、さすがに社員には役員陣のコミットの強さが伝わると思います。
給与も、役員報酬を適正に戻すのは一番最後。軸をぶらさない意識が大事かなと思っています。

JAM:衝撃です…。i-plugさんのように社員数100名規模になると、中野さんや役員陣の考えや組織としての動きが社員に見えづらくなってくるフェーズかと思います。どのようにして伝えているのでしょうか?

中野氏創業初期の社員が理解しており、それが他の社員に伝わっているということが大きいと思います。うち、役員が交際費を1円も持ってないんですよ。全て自腹です。社員に言ってなかったんですけど、やっぱり伝わりますよね。

会社で月1回夜飲みに行くイベントをやっていたんですけど、はじめは僕が全額自腹で出してたんですよ。さすがにばれて、「せめて半額にしてください」と社員側から要望があったほどです。

オフィスの席が足りなくなりそうだったらはじめに役員の席がなくなります。来客時のお茶出しも受付人員がいるわけじゃないので、自分のアポは自分でお茶出しする。みんなやるべき仕事がありますが、僕は時間は空いてますから。
そういう日々の積み重ねから、少しずつ伝わるかなと思っています。

JAM:日常的に、社員から見て分かるレベルでミッションを体現していると、ミッションの重要性を言葉にするまでもないかもしれませね。それに、本気で実現しようとしているんだというのは伝わりますよね。

中野氏:言葉と行動が一致していないのは、まずいですからね。

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<サボるのは、「人」ではなく「仕組み」に問題がある>

JAMi-plugさんは、管理型のマネジメントをされず、性善説で組織を運営されているということですが、組織づくりに対する考え方はどのように醸成されていったのですか?

中野氏:新卒のダイレクトリクルーティングのプラットフォームを事業にしているため、お客さんにとって安定したインフラが提供できる企業であるべきだと考え、自然と今の形になりました。ただ、すべての企業に当てはまる形態ではありません。対象となるお客さんや業界によって、方法は全然違うと思います。

JAM:働き方の自由度が高く、マネジメントも強くは行っていないとお聞きしています。そうすると「仕事への向き合い方が弱くなる人が出るのでは?」という懸念を感じる方もいらっしゃると思いますが、そのあたりはどうお考えですか?

中野氏:i-plugにはリモートで働く社員がいますが、働いた時間は自己申告にしています。自分の働いた時間を偽ることも可能ではありますが、偽り続けるといつかはリモート制度自体がなくなりかねません。
自分の働く環境を保つためにも、正直に申告すると考えています。人は人から寄せられた信頼に応えたくなるものですし、オフィスで働いているメンバーもさぼろうと思えばいくらでもさぼれますからね。
仕事をしない人がいたら、その状況を作っている側が悪いんですよ。さぼりたいと思うようなものを依頼してるのが悪い。働く場所は関係ないんですよね。

JAM:前向きに仕事に取り組まなくなる場合は、依頼する側、つまり組織の仕事の任せ方などの「仕組み」に問題があるということですね。

中野氏:そうです。人に喜ばれることは嬉しいはずですし、自分の給料や対価に繋がったり、認めてもらったりしたら楽しいはず。

うまくいかない時は、何か邪魔する要素があり、大体は仕組みの問題です。社内の仕組みが問題となり、ネガティブな反応をしている人が現れる。人が悪いのではありません。仕組みを直さないと、誰が入社したって同じような問題が発生しうるでしょう。

JAM:採用にもこだわり、採用した人を活かすために、仕事の采配や、その仕事の意味を伝える仕組みをつくっているということですね。

中野氏:もちろん、まだまだ改善すべき点はたくさんあります。ただ、お客さんへ価値を提供するために必要なことだと理解していれば仕事をする意味もこみ上げるはず。
それでも仕事をしない人は、きっとその人にとってより「面白い仕事」を期待しているのでしょう。期待している仕事内容と今の仕事内容にギャップがあるから不満が出ている。最適な配置がなされてないが故の問題だと考えています。

JAM:ということは、マネージャーはそのために仕事の意味を伝えて、最適配置をすることが非常に大切ですね。

中野氏:だいたいはコミュニケーションの問題ですね。自社でも強化してる最中です。

JAM:実際に、「この社員、仕事に対してやりきれていないのでは?」ということはありましたか?

中野氏:生産性の低下における根本の原因に「不満」がありそうなケースはありました。なので、不満の正体を聞くしかないですね。
もちろん、プロとしては最低限やらなあかんものもあります。

例えば、プロ野球選手が、なんか納得いかなくてモチベーション低いんで、バット振るのやめようかなって、3球連続振らなかったらもうヤジが飛びますよね。絶対振らなあかんでしょ。そういうラインですね。

繰り返しになりますが、会社にとって一番大事なのはお客さんです。社員が一番大事な会社になったら、優先順位が変わってしまう。最低限のラインを越してしまうようであれば「駄目」と伝えますよ。

もし転職したとしても、同じ思いのままでいたら、転職先でも同じことが起こりますよね。だから、会社の責任としてもきちんと伝えるべき事柄だと考えています。


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<熱中する人が集まる組織が強い>

JAM:最後に、中野さんがもう一つ会社を作るとしたら、事業内容にもよると思いますが、ここも大切にしたいという組織づくりのポイントはありますか?

中野氏会社のビジョンやミッション、事業内容などに熱中できる人がどれだけ集まるかだけだと思います。経営者も一緒。本当にそれが好きかどうかが重要になると考えています。

事業内容やビジョンに熱中していたら、自然と組織の優先順位はお客さんが一番上になります。一方、自分の財産を作りたいとか、一定レベルの困らない生活をしたい、となると、優先順位は必ずしもお客さんを一番にしなくて良い。資本主義はそれを認めていて、悪いことではありません。

JAM:こんな未来をつくりたいという「熱中」は、やっぱりミッション・ビジョンの実現への強い共感とイコールなので、採用基準としてやはり一番大切にしたいポイントということですね。

中野氏:はい。i-plugは、周りから見たらすごいキラキラして見えるっぽいんですけど、中はそうではないですからね。やっている仕事は超地味。毎日一生懸命コツコツした先にたどり着けるのが成果です。とりあえず一歩足を出そうと進めていけることが大切ですね。

JAM:一見地味な仕事に見えるからこそ1on1をするマネージャーが、目の前の仕事にとらわれ過ぎないよう前を見せていく必要がありそうですね。

中野氏:うちの会社はマネージャーは大変だと思います。
僕もマネジメント全然できないんで。ピラミッドの組織形態を取らない組織に必要なのは、ミッション・ビジョンに共感している仲間が集まり、みんなで考えてやろうと考えて進んでいくことです。

生産性が上がらなかったり、混乱が起こったり、スムーズに行かないということはたくさんあります。でも、みんなで決めて本気で向かっていったら「できる」と信じています。

■ 株式会社i-plug ■

新卒採用におけるミスマッチを解消させるOfferBoxは、企業から学生に直接オファーを送ることができる新卒に特化した
ダイレクトリクルーティングサービス。
企業が学生をふりにかけるのではなく、「手を伸ばし、握手しにいく採用」
として新卒採用のあり方に一石を投じた。
2019年1月現在、19卒の登録学生が10万人以上、登録企業数4,700社と
新卒市場におけるダイレクトリクルーティングでは業界1位。

<OfferBoxのここがすごい>
平均すると企業が10名学生に会うと1名採用できるようになっている

理由は?
・マッチングの精度の高さ
学生が登録できるプロフィールの情報量が圧倒的に多い。
登録時に適性検査も受ける。
また、企業と学生の行動ログを取得し、AIで分析し、利用者ごとに検索結果を最適化している。
・本質的な出会いのきっかけづくり
企業が送付できるオファー数を最大100名まで制限している。
(学生も最大15社までとしか平行してやりとりできない)
企業が学生の真剣な出会いの場とするために、大人数のセミナー形式でなく、
個別もしくは5人以内の少人数で会うことをお願いしている

JAMでは
・ 管理職研修marcato
・ 1on1導入時のトレーニング
などで組織づくりのご支援を行っています。
各社の課題やご状況に合わせたご提案を行なっておりますので、
上記以外にもお気軽にこちらまでご連絡ください。
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