vol.4 社会の仕組みと私生活
自己紹介
このコラムでは、新卒2年目社員である私土屋佑樹が、自身が若手社員だからこその視座を強みに「若手社員の取扱説明書」を綴ります。昨今では、特に管理職層と若手社員の間には価値観のギャップがあると感じています。若手社員とベテラン社員、その間をつなげるようなコラムにしていきたいと思います。第4弾の今回は、若手社員が「社会の捉え方と私生活」についてお話ししたいと思います。
「社会」とは「価値交換システム」である
「社会人」という言葉は私達の日常に溶け込んでいますが、そもそも「社会とは何か」について考えたことがある人はあまり多くないのではないでしょうか。
そもそもを考えましょう。表現の仕方は色々ありますが、仕事という観点から社会を紐解くと、社会とは「価値交換システム」であるという定義がなされます。これは構造主義の観点ですが今回はそこに踏み込みません(できません)。
価値交換システムとはつまり、同じ価値のものを交換する等価交換のシステムであるということです。自分がこれだけの価値を提供したから、その価値に見合ったお金をもらう。例えば1時間カフェで働いたから950円もらうなどです。そういう営みが絶えず繰り返されるのが「価値交換システム」であるという所以です。
生活すべてを損得勘定で過ごすことの貧しさ
だからといって、生活のすべてが等価交換になることは不健全であると言えます。特にプライベートなどの私的領域においては、この考え方は災いを呼ぶ可能性もあります。 家族や恋人に対して「自分はこれだけのことをしたから、これだけのこと返してほしい」というコミュニケーションはなかなか考えづらいですよね。仕事の時間が長いと、コストパフォーマンスという思考や合理性という枠組みによってあらゆるものを眺めることになってしまうので、その観点に寄りすぎると人間ならではのものを享受しにくくなるという欠点があります。
ただ、よほどの財産や突出したスキルがない限り週の5日を働かなければなりません。そこで豊かになるためには、生み出す価値を高める必要があります。生み出す価値を高めるにはどうしたらいいのか。それは仕事を頑張ることです。仕事にまつわるあらゆることを頑張ることで、仕事のスキルは向上します。これは当然です。
生きていく中で良いとこ取りはできない〜私生活の重要性
しかし、仕事を頑張るという手段以外にも効果的に仕事で生み出す価値を高める方法があります。それは「本業以外をどう過ごすのか」ということです。本業以外の時間をどう過ごすのかということが仕事におけるパフォーマンスに影響します。
例えば、ラグビーのニュージーランド代表。通称オールブラックスと呼ばれています。彼らは「Better People make Better All Blacks」をスローガンに闘っており、世界の頂点に立っています。また、それを科学的に研究したのがアメリカのポジティブ・コーチング・アライアンスの『BETTER ATHLETES BETTER PEOPLE』 「いいパフォーマンスをあげる人は、いい人であることが前提である」といメッセージは今、全米で共通前提となってきています。
ビジネスでも同様で、業務上のパフォーマンスだけでなく、朝、会社に着いて仲間に挨拶ができるか、掃除ができるか、ミーティング後の椅子や机の片付けができるか。ここをしっかりするだけでもその企業のパフォーマンスはあがり、強いチームになるのではないかという事が考えられます。
令和になっても香る昭和
日本企業で有名なのは、日本電産でしょう。日本電産は赤字の企業を50社以上買収しことごとく黒字化させています。彼らは買収した子会社の再建にあたって「6S」という行動指針を掲げます。6Sとは「整理」「整頓」「清潔」「清掃」「しつけ」「作法」 という頭文字「S」で始まる6項目であり、日本電産の会社再建の心得です。 そして、6Sを実践すると 「3Q」つまり「良い社員(Qualityの高い社員)」「良い会社(Qualityの高い会社)」 「良い製品(Qualityの高い製品)」につながります。赤字の会社は、社員の士気が落ち職場が汚れてくる。 雑然としたオフィスではスピーディーかつ効率的な事務処理はできない。会社の環境整備を徹底することから会社の業績が回復していくという考えが基になっています。
令和という元号になっても色褪せない昭和的なものがあるということだと思います。平成世代も何が本質なのかを見極めながら生きていくことが秘訣なのかもしれません。
JAMが伝える仕事のスキル向上における本質
JAMの若手層向け研修「ソルフェージュ(そもそもソルフェージュとは、音楽用語で基礎訓練を意味します。社会人としての基礎をスキルスタンス両面で鍛えるという目的です)」の中に「私生活を整える」というコンテンツがあります。
私生活を整えるというコンテンツは、以上のことをより詳しく学べる内容となっています。私生活の重要性を若手のうちから把握しておくことで、健全な社会人人生を送ることができ、価値の創出につながっていきます。ぜひ、私生活を整えながら、価値を高めていけるような社会人生をまず自分が体現していきたいと思います。