2019.04.24 成長企業の社長が語る 組織のDNA
成長企業の社長が語る 組織のDNA Vol.3(後編)

成長企業の社長が語る 組織のDNA Vol.3(後編)

経営と組織づくりの一番のポイントは、「相反すること」の両立。
〜「社員間の良好な関係性」と「健全な競争原理の働く成長環境」を両立させるには?〜

Ⅱ、「社員間の良好な関係性」をつくるためのカルチャーづくり

(JAM)
組織のアメーバ化・若手の抜擢、異動が生じると、競争原理が働くがゆえの人間関係の不和や、異動による会社への不安が生じる可能性がある。
だが、そういったことは全くとは言わないが、ほぼ起こらないという。
その理由はカルチャーづくりにあるようだ。

——————競争原理が働いても社員間の関係性が良好な理由(採用)

売上や利益を上げることは当然大切ですが、人間性の教育、人間性を上げる、人格を上げるという土台を作って、そこに積み木を重ねていきながら組織を作っていくということをすごく大切にしているので、それが弊社のカルチャーになっていると思います。

そのために、採用とクレドの浸透にはすごく力を入れています。
人生を充実する、感動に満ち溢れたものにするために、基礎として大切なものをクレドとしてまとめています。
採用では、そのクレド18項目について、共感する・共感しない・どちらでもないというものを全員にアンケートをとっています。

もちろん、すべて「共感する」と回答した人を採用するということではなく、それを元にどうしてこの回答なのかということを面接で聞いていきます。
そうすると、共感しないにチェックをつけた人も「なるほどそういう考えもあるよね」となることや、共感するにチェックをつけた人も理由を聞いて、カルチャーフィットしないという場合もあります。

金太郎飴みたいに、ここをチェックしたから必ず不採用ということではありません。あくまでも大切なのは、なぜそこにつけたのかという理由です。

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<株式会社ディ・ポップス クレド>

18項目について、項目だけではなくその具体的な内容が記されたカードがある。
1、 クレド
2、 プロフェッショナルに徹する
3、 仕事に対する姿勢
4、 感情移入した接客応対
5、 成果に対する考え
6、 完全実力主義
7、 フェア・チャンス&リ・チャレンジ
8、 顧客対応型の柔軟な組織づくり
9、 夢と目標の設定・明確化
10、 物事の本質を見極める
11、 自分の周囲の人への思いやり
12、 現状打破
13、 自己実現・自己への決断
14、 クレームの対応
15、 礼儀と挨拶
16、 ゼロから一を創る尊さ
17、 自己の規律
18、 社会貢献
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——————競争原理が働いても社員間の関係性が良好な理由(カルチャー浸透)

カルチャーの浸透には、会社の全体会議や食事会などいろいろな場所できちんとみんなに伝え続けるということだと思います。同じことだけど、伝え続けると。そうすると、だんだん「これが大切なんだ」と感じ取ってもらうようになって、みんなが同じ方向を向くようになると感じています。同じ方向を向くことで、横の競争ではなく世の中への推進力を高めていきます。

そこを徹底してやらないと、ベンチャー企業がトップランクの大企業と肩を並べることは難しいと思っています。経営資源で言うと、全て大企業が勝っていますよね。資金力があって、人材レベルも高く、あらゆるものがあるわけです。そこに0から作ったベンチャーが新しいサービスで切り込んでいくわけですよね。そもそも経営資源が圧倒的に異なる会社が切り込む時に、勝てるとしたら一点突破くらいしかないと思います。

そうすると、社員が一丸になって同じ方向を向いていないと、その突破はできないと思っています。実は私はあっちに行きたかった、実はその戦いすらしたくなかったいうことになると100%負けます。ですので、力強さを作るという意味で、全員の方向性を合わせるためにクレドを伝え続けるということはすごく大切だと思っています。

アメーバ化・フラット化することで、ギスギスすることが少ないのは、クレドを元に人間教育のようなところにすごく重きを置いているからだと思います。全くそういうことが起こらないというわけではありませんが、もしそうなったら、社内用語になっている「誠実、謙虚、感謝」を伝えます。ここからずれると、何かうまくいかなくなったりトラブルが起きたりしますよと。

誠実の反対は不誠実、不誠実なことをしているとだいたいトラブルが引き起こされます。謙虚の反対は傲慢。傲慢だとマネジメントがうまくいかないとか、部下がついてこないとか、お客様ともうまくいきません。そして、感謝の気持ちがないというのも、結局は周りの人との関係性がうまく構築できないので、誠実、謙虚、感謝というものがどれだけ大切かということを伝え続けています。

でも、それは僕自身にも言い聞かせています。例えば会社経営がうまくいって利益が出て、そこで傲慢になるとやはり会社経営者としては失格だし、そのくらいのレベルの社長ということになってしまう。売上がどんなに上がろうが、利益がどんなに上がろうが、人から賞賛を受けようが、誠実、謙虚、感謝の心が大切ですし、それが人間性の成長だと思うので、そこからずれないようにしていくということはとても大切にしています。

クレドに書いてあるようなことが積み木のように重なっていくので、社員たちの会話を聞けば、理念やクレドに合った考えをしているかどうかは分かります。
逆に言うと、ずれているなというのもすぐ分かります。

僕が、ずれているなという感覚を持ったら、その社員の上司もずれている可能性があります。ですので、グループ会社の社長にはメンターシップ・コーチング的な関わり方をしたり、緊急時の相談に乗ったりしながら、育成に10年くらい時間をかけるイメージで伴走するようにしています。

僕は裏のスローガンとして「THE・サラリーマンのような人を1人たりともディー・ポップスグループから生み出さない」という強い思いを持っています。

松下幸之助さんが、一人ひとりが経営者であるかのように仕事をすれば、その人の才能が開花してものすごく力強い会社になるだろうということで、リーダーに任命していきました。それがPanasonicの飛躍的な成長に繋がったと。

更に松下幸之助さんは、社員一人一人に対しても、社員稼業は経営者業と一緒だと言っているんです。あなた自身をどうプロデュースするか、どうマネージしてどう実績を出すか、どう成長するか、あなた自信があなたを経営しないといけない。そう考えると一人ひとりが実は経営者なんですと。
そういった人づくりを今後もし続けていきたいと思っています。

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