成長企業の社長が語る 組織のDNA Vol.5(後編)
<HRMの6つの型と人格形成>
HRMは、6つの型(採用・評価・配置・報酬・育成・出口)を使って組織づくりをしています。そして、そのHRMの型をつくる際には、自分が40歳の時に大切だと痛感した人格形成の観点を大切にしました。
■採用
スキルセットをみる採用から、理念型採用に変え、新卒採用を開始しました。それまでは、経営の軸足を全部中途でカバーするという考えで新卒採用を一切行なっていませんでしたが、新卒採用を軸足に持っていくという形態にガラッと変えました。
■報酬
金銭報酬と非金銭報酬の仕組みを整えて、金銭報酬はもちろんですが、働きがいに繋がるための文化形成に力を入れました。
■評価
MBOのような形式に加えて、マネジメント層には360度評価を導入しました。当社でマネジメント層になる人は、この人の元だから頑張れるとか、あの人だったら推薦できると思われるマネジャーが伸びる。そして、メンバーもマネジメント層の人格や人望をリスペクトする傾向が高いですし、会社としてもそこを重視したい。そのため、評価制度の骨子は、人間力をつけるために中国の儒教の教えにある「仁義礼智信」という考え方でつくっています。
<仁義礼智信> Wikipediaより
仁 他人に対する思いやり、従順、仁愛、愛情。また惻隠(そくいん)の情。
義 正義、平等、公正、清廉、義理、不善を恥じにくむこと。
礼 尊敬、礼儀、礼儀正しさ、権威に服従すること。
智 善悪を弁別する是非分別。
信 信義、誠、誠信、人間の交際における信義と誠実。
■育成
PDPカレッジという仕組みをつくって、これでもかというくらいちゃんと学ぶ3つの仕組みを考えています。
①PDPビジネスカレッジ
ビジネスパーソンとしての基礎を習得するものです。ロジカルシンキングやプレゼンテーションスキルなど、成果を出すための基礎的なスキルを学ぶ構成になっています。
②PDPマネジメントカレッジ
マーケティングやリーダーシップなど、マネジャーに求められるスキルを学びます。ビギナーコースは内製で行なっていて、初めは顧問で関わっている方に講師を担っていただきましたが、今は受講したマネジャーが講師になって、次の受講者に伝えるという流れを作っています。プロフェッショナルコースは、グロービス経営大学院の単科を受講し、クリティカルシンキング等を学んでいます。
③PDP大学院
企業家に必要な力を育成するために、次期幹部候補として任命された社員がグロービス経営大学院に通学しています。他社の方と一緒に学ぶことで自分たちの位置付けが見えるので、他流試合をすることを大切にしています。
■配置
当時、店舗への帰属意識はあるものの会社への帰属意識が薄く、異動が行いにくいという問題がありました。そこで、理念を反映させた評価システムをつくり、店舗ではなく会社に属している一体感を感じられるよう、僕が社内のメンバーと飲みニケーションを始めました。
飲みニケーションの頻度は、経営チームとは年12回、マネジメント層とは年12回、現場のメンバーとは年14回飲みに行っています。マネジメント層に関しては、タモリさんがやっていたテレビ番組「いいとも!」のテレホンショッキングのように、飲み会に参加したマネジャーが次のマネジャーを紹介するシステムにしていて、僕から次のマネジャーに電話をして「飲みに来てくれるかな?」「いいとも!」というスタイルにしています。
会社が大切にしている理念や、みんなにも忘れてほしくないというテーマがあるのですが、それを食事をしながら伝えて話し合う場にしています。
■出口
出口戦略は、最近はあまり行なっていませんが、理念や文化と合わなかった場合はお互いのために「違うかもしれないね」ということをお互い伝えやすくする文化形成をしています。
そして、今は行なっていないのですが、人格形成のために「心門塾」という、人としてどうあるべきかを考える学びの場を設けていました。それに替わって今は、マネジメントメンバーへの課題図書とそのレポートの共有を行なっています。
2ヶ月に1度、マネジャーに読んで欲しい本を僕から伝えて、A4用紙1枚でまとめたものを名前を伏せて共有し合っています。そうすることで、自分とは別の視点の感想をお互いに知ることができ、学びに繋げていくことができるのです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
株式会社ポジティブドリームパーソンズ
代表取締役社長
杉元 崇将
設立
1997年7月1日
事業内容
・ホテル施設の企画 、運営事業
・レストラン施設の企画 、 運営事業
・ウェディング施設の企画 、 運営事業
・バンケット(宴会)施設の企画 、 運営事業
・フラワー施設の企画 、 運営事業
・コンサルティング事業
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー