ホームコラム「中途採用の矛盾」
2015.07.15 ツカエル組織論

「中途採用の矛盾」

「これからのキャリアは、平均して2回、自分の専門性を変える必要が出てくる」
「現在の小学生の65%は、大学卒業時に今は存在していない職に就く」
など、変化と不確実性が取り巻く環境において、様々な研究者が個人のキャリアもその変化に対応する必要があると主張しています。(カオス理論)
しかし、多くの企業の組織マネジメントでその潮流に大きく矛盾していることがあります。

それは採用時の考え方。
例えばある営業職の求人に、エージェントから2人の候補者が推薦されてきて、一人は同じ業界で長く営業を担当してきたキャリアに一貫性がある人で、もう一人は有名企業の出身だが、複数の業界を経験し、職種も営業、人事またあるときは企画と、キャリアの一貫性は見られない人だった場合、私たちはどちらを採用しがちでしょうか?

多くの場合、キャリアに一貫性のある候補者を選ぶはずです。ここで言うキャリアの一貫性とは、同業種内での仕事または、同職種の仕事を意味します。

しかし、今の社会の状況を考えた時、果たして本当に同業種や同職種の枠内に居続けることがそれほどまでに重要なのでしょうか?

もちろん、同じ業界で働き続けてきた経験から即戦力として活躍してもらえるし、人脈も活用できることでしょう。長く続けた人にしか持てない勘や洞察力を身に着けている人もいます。
これらのことはもちろん正しく評価すべきです。

その一方で、業種を越え、職種を越える人は、異なる場所で異なる機能をこなす変化への順応性(アジリティ)が高いともいえます。
即戦力として結果を出すことを求める中途採用者であったとしても、今後はもう少しこのアジリティという観点の重要性を高めてもよいような気がします。

もしその仕事がこの組織に存在しなくなったらこの候補者はどうなるか?
そんな想像をしてみると、ヒントが得られるかもしれませんね。

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