無理です。私には務まりません。
プロバレーボール選手 木村沙織選手
現在開催中の世界バレーで残念ながら第2リーグで敗退が決定してしまった火の鳥ジャパン。
そのキャプテンを務めるのが木村選手。
輝かしい実績を持つ彼女ですが、キャプテンを引き受けるまでにはいろいろな葛藤があったのだそうです。
ロンドン五輪で銅メダルを獲得したのち、全日本の真鍋監督は次のキャプテンとして木村選手以外に選択肢を持っていなかったそうです。
それは何より彼女が豊富な経験を持っていたから。
高校のころから日本代表として活躍していた彼女はすでに3度の五輪と世界選手権を経験し、それぞれ銅メダルを獲得していました。さらには海外リーグも経験済み。
金メダルを目指す中で向き合わなければいけない大きなプレッシャーに打ち勝つためには絶対に彼女の経験が必要だと考えたのだとか。
しかし、その期待とは裏腹に木村選手の答えは、
「無理です。私には絶対に務まりません」というもの。
もともとおっとりした性格であまりチームをリードするような気質でなかったことに加えて、ロンドン五輪後、燃え尽き症候群に陥っておりバレーを辞めることすら考えていたのだそうです。
しかし監督からの打診から1週間以上が経ったある日、真鍋監督のもとに 「やります。よろしくお願いします」というメッセージが届いたのだとか。
そんな彼女がキャプテンを引き受けたのは、「今までキャプテン経験のない自分がキャプテンになったらこのチームはどう変わるのだろうという興味」だといいます。
希望の見えない精神状態から自分がキャプテンとなる姿を思い描き、その新たなチャレンジにわくわくできる。よほどの精神力がなければできないことでしょう。
見えない不安よりも、その希望にわくわくできる。
私たちもそんなふうに未来と向き合っていきたいものです。