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2021.05.06 パンにはJAM

“捨てるの苦手”な人が考える「学びの断捨離」術

こんにちは。株式会社JAM マネディク事業部マネジャーの淺井です!
皆さんゴールデンウィークはどのように過ごされましたか?

都内在住の私は、ほぼほぼステイホームの連休となりました。
昨年と同じく巣ごもり生活になるとは…想像していなかったです。(外出好き、旅行好きとしてはツライものがありました。。)

私の場合、予定を詰めるわけでも目新しいことをするでもなく、ベタですが、部屋の片付けをじっくりやる時間が多かったです。

 

片付けることと人材育成をつないでみる


ここ数年で断捨離、ミニマリストという言葉をよく目にするようになりましたね。(調べてみると、前者は2010年に、後者は2015年に新語・流行語大賞にノミネートされていました。)

「身の回りの物を整理整頓する」「(物への執着を減らし)身軽で快適な生活を送る」といった行動/スタンスに関連して使われることが多いと思います。

ここまでの流れから、この人片付け好きなのかな、断捨離にハマっているのかな、と思われたかもしれませんが…
私自身は物の整理整頓が苦手で、一向に好きになれません。(断言!)

特に「捨てる」ことがなかなか進まず、思うように物が減らない…。

そんな私が普通の断捨離について語るのはおこがましいので、
今回は人材育成にちなんで「学びの断捨離」について書きたいと思います。

 

人材育成では「アンラーニング」という言葉がある


ここでは、学びの断捨離を「アンラーニング」と言い換えます。

「アンラーニング」は学習棄却、学びほぐしとも言われ、
過去に得た知識や培ってきた価値観を意図的に捨て、今の環境や状態に合わせて再構築することを指します。

もう少し掘り下げましょう。

-アンラーニングはどんな場面で必要とされるか。
代表的なものとして、
・新しい役割を担う(例:異動、昇格)
・新しい環境に入る(例:異動、転職、学生から社会人へ)
・新しいものを生み出す(例:新規事業など0→1的な業務)
といった場面が挙げられます。

単純化すると、少し大きめの「変化」と対峙する時
これまでの延長線上から脱して、新しい役割や環境に自分自身を適応させる必要のあるタイミングです。

-アンラーニングができないと、ビジネスでどんな状態を引き起こしやすいか。
たとえば、
・管理職に昇格した人が役割の変化にうまく対応できない
・中途で入ってきた人が前職のやり方/考え方に引っ張られてしまう
・既存事業に固執し、新規事業が生まれない/思うように進まない
といった問題/課題はイメージを持ってもらいやすいかと思います。

これまでの慣例や実績などに囚われ過ぎてしまうことで、変化への適応がうまく行かず、結果として期待していた成果を上げられない。これって結構あるあるかもしれません。

特にベンチャー企業や成長企業の場合、変化のスピードが速く、変化量や振れ幅も大きいため、そこで働く人たちには「アンラーニング」が必要な場面が多く訪れやすいと感じます。
(私自身、前職である200名規模で監査法人傘下の会社から、10名規模で設立数年のJAMへ転職して2年弱ですが、アンラーニングを要する場面はかなり多く、且つ今でもまだ充分やり切ったとは言い難い状態です。まるで別の世界!)

 

アンラーニングが簡単にいかない理由 その(1)と対策


変化に適応していく際、「何かを捨てる」必要性を頭ではわかっているはずですが、いざやろうとすると難しい…。

理由(1)学びを捨てることには勇気が要る
身の回りの物の片付けの場合、物を捨てることによる結果やメリットがイメージしやすいと思います。
「物が減って気持ちがスッキリ」「部屋が広く感じられる」「掃除がしやすくなる」「模様替えや引っ越しの時にラク」など。

アンラーニングの場合、どうでしょう。
過去の学びを捨てることによる結果やメリットがパッと思い浮かぶでしょうか?むしろ不安やデメリットのほうが先に挙がるかもしれません。

過去に得た知識や培ってきた価値観は自分の拠り所や安心材料にしやすい。
新しいことに取り組む際に、
「まずは自分が慣れている/知っているやり方でやってみよう」
「過去にうまくいった経験で使えるものがきっとあるはずだ」
と考えるのはある意味当然のことです。

その一方で、変化適応のためには捨てる必要もあるというジレンマ。
そこで、捨てる勇気を持ちやすくするための、私なりのマインドセットを紹介します。

理由(1)への対策

私の場合、「過去/これまでと違う点が必ずあるから、アンラーニングは多かれ少なかれ必要」と考えるようにしています。つまり、「アンラーニングはゼロというわけにいかない、常に必要量の大小で捉える」という発想です。

その上で、アンラーニングの必要量の大小は、過去との類似性の大小を基準にして判断しています。

変化:小(これまで/過去と類似する部分のほうが大きい)
→ アンラーニング:小(いくらか必要)

変化:中(これまで/過去と類似する部分と異なる部分が半々程度)
→ アンラーニング:中(結構必要!)

変化:大(これまで/過去と異なる部分のほうが大きい)
→ アンラーニング:大(相当必要!!)

ざっくりこんな目安。

仕事をする中で、寸分違わず同じシチュエーション、同じ内容/対応というのはまずないはず(あっても余程のルーティンワークぐらい)なので、「過去の学びがそっくりそのまま使えはしない」「むしろ思考の枷になる恐れがある」といった考えを常に持ち、過去の学びを捨てる覚悟(少なくとも固執しない柔軟性とスピード)を持てるかが重要です。

 

アンラーニングが簡単にいかない理由 その(2)と対策


理由(2)具体的なやり方が分からない
そもそも「アンラーニング」という言葉/概念で要求されたことがなく、具体的なやり方も聞いたことがないという人が多いと思います。

過去の学びを「捨てよう」「一旦忘れよう」だと意識レベルの話ですね。
ここでは、「これをするとアンラーニングがしやすい!」というポイントをお伝えします。

理由(2)への対策

私の中でアンラーニングをしやすくするコツは「インプットをし続けること」、これに尽きます。
ある意味「ところてん式」です。新しい学びで古い学びを押し出す癖をつける。

変化と対峙する際、最初にインプットするもの
目的/ゴール、期待されている成果/役割

変化適応のために継続的にインプットするもの
関連する最新の情報、自分が知らない/アップデートできていない情報(例:最新のセオリー/技術/事例、顧客や競合の動向、自分より視座や専門性が高い人の知見 等)

たとえば、中途入社者が成果を早く上げるために何をすべきか。

まず、自分に求められている成果/役割、評価基準などを押さえます。
その上で、業務を進める上で必要な情報、自社や自社サービスに関する情報、競合に関する情報、所属するチームに関する情報などを徹底的にインプットする。

尚、このインプットは繰り返していくことが大事

入社まもない頃は放っておいてもインプットは増えますが、慣れてくると自然と新しく入ってくる情報は少なくなりやすいです。
気がつくとその組織/環境の慣例や当たり前に染まり、自分自身の変化が小さくなる、組織の変化の阻害要因になるなんてことにくれぐれも注意が必要です!

 

変化適応は今後さらに求められる


いかがでしたでしょうか。

ただでさえ変化の激しいビジネス環境、さらにコロナ禍によって社会全体が大きく変わり、先行きが一層見えづらい時代です。
次々と、且つ高スピードで求められる変化適応。学びの断捨離、「アンラーニング」がきっと役立つはずです。

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