vol.3 若者の正解志向
自己紹介
このコラムでは、新卒2年目社員である私土屋佑樹が、自身が若手社員だからこその視座を強みに「若手社員の取扱説明書」を綴ります。昨今では、特に管理職層と若手社員の間には価値観のギャップがあると感じています。若手社員とベテラン社員、その間をつなげるようなコラムにしていきたいと思います。第3弾の今回は、若手社員の「正解志向」についてお話ししたいと思います。
正解志向は人をヘタレにする
正解志向とは、あらゆる物事に対して「これさえあればもう大丈夫だ」「あれさえあれば自分は変われる」と考えてしまうことです。例えば、仕事選びで考えてみましょう。私は採用担当をやっていますが、その中でも意思決定がなかなかできない学生がいます。もちろん情報量が少ないだけという場合もあるのですが、一部の学生はある共通した発言をします。「自分には適職があるはず。それがまだ見つかってないんです」というものです。
具体例としては他にも、「本を読んで勉強すれば仕事ができるようになる」という姿勢もあるでしょう。何かにすがり正解を知ろうとすることによって何かを上達しようとする姿勢です。
かく言う私も昔はゲームは攻略本を読みながらやっていました。今考えれば自分で冒険することが楽しいのに。。。回り道をしたくないとかアイテムを全部拾いたいという正解志向が当時は勝っていました。冒険を楽しむというよりも、安心・安全を求めていたのです。
もちろん、勉強や読書、インプットが必要なことは必要です。しかし、それだけでは仕事は上達しません。そして、インプットを重視してしまうことは挑戦の機会やアウトプットの機会を損失することにつながります。ですので、インプットや正解を知ることはほどほどに、自分で試行錯誤していく姿勢が推奨されます。そして何より、正解があるという考えは、目の前の現実を受け入れて前に進むことを阻害します。「こんなはずじゃない。あれがあれば自分は変われる・・」そういう状態に陥ります。
なぜ正解志向に陥るのか
ではなぜ、正解志向に陥りがちなのか。背景にあるのは、受験への適応、承認不足への適応だと考えています。受験は正解を当てる営みです。それを思春期の間にずっとやってきています。なので、自分で考えて試行錯誤していく習慣が身につきづらいということが言えるでしょう。そして、物事には正解があるという思考様式にもなります。
さらに第1回でもお伝えしたように今の日本の若者は自己肯定感が低いという現状があります。自己肯定感が低いとどういう態度になるのか。それは、他者の視線を過度に気にしてしまう態度です。自分の思うことよりも、他者から見てどうか、自分がうまく振る舞えているだろうかということを気にしてしまいます。これもその場その場での正解を探し当てる営みです。
そしてその結果、自分の思いではなく、目の前の出来事やうまく振る舞えているかどうかに右往左往することになります。これではなかなか仕事が進みません。ストレスも増えてしまいます。行動量も落ちてしまいます。
正解志向を脱するための処方箋
そういう若者にどういうことを伝えるべきか。「世の摂理は人知を超える」ということです。例えば、過去の嫌な出来事が結果自分の学びになり、成長へとつながるというようなことです。言い換えれば、人間万事塞翁が馬。正解などないということです。
このことが腹からわかれば正解を求めて右往左往せず、目の前のことに集中できます。その結果仕事をどんどん前に進めることができます。
しかし、これはかなり難しい。経験が必要です。様々な経験をして頭でわかるだけでなく体感でわかる必要があります。良いと思っていたことが悪しきことを呼び、失敗だと思っていたことが幸運を呼ぶことがあります。そのことを身を以て学ぶ必要があります。私もその道の途上にいます。
JAMがお手伝いできること
ただし、「世の摂理は人知を超える」習得までの期間も日々は続きます。その間はどうするのか。JAMの研修にはそのための処方箋があります。とある考え方を知ると目の前の出来事に一喜一憂しがちな現状を緩和できます。JAMの若手層向け研修「ソルフェージュ(そもそもソルフェージュとは、音楽用語で基礎訓練を意味します。社会人としての基礎をスキルスタンス両面で鍛えるという目的です)」の中に「フィードバックを受け取る技術」というコンテンツがあります。
フィードバックを受け取る技術は、打たれ弱い若者に適切な処方箋です。受け取った言葉をどう解釈すればいいのか、それを学ぶことができます。ご提供させていただいたお客様からは「あるある〜」という声をよく聞きます。実際に僕自身にも効果てきめんでした。ぜひとも、同年代に伝えたいスキルです。