「コーヒーで生きていけなかったら、自分の人生はただ息をしているだけ」 コーヒーハンター 川島 良彰さん
30数年に渡り世界中2000ものコーヒー農園を渡り歩き、現地コーヒー農園の人とともに至宝のコーヒーを目指している、世界屈指のコーヒーハンターが川島さん。
自分のやりたいことはやらなきゃ気が済まないし、そのためにはなりふり構わずやってしまうという川島さんのスタート地点は、18歳で単身渡ったエル・サルバドルでした。
国立コーヒー研究所に毎日通い、当時の所長に直談判して研究員のポストを獲得。
しかし内戦が始まり、研究員としての生活を続けることができなくなります。
そこで出会ったUCC創業者の上島忠雄氏との出会いに導かれ、内戦激化後やむなく帰国した川島さんはUCC社員となり、ブルーマウンテンコーヒーを日本に安定供給する基盤を築き、さらにはフランス国王ルイ15世が愛飲したと言われる幻のコーヒー「ブルボン・ポワントゥ」を復活させました。
1942年の輸出記録を最後に歴史から姿を消したそのコーヒーの原木を、川島さんはインド洋に浮かぶレユニオン島で発見。産業の復活から製品の流通までを軌道に乗せたのです。
そうして幾多の成功を収めた彼は、生産国と消費者の架け橋になるという野望を胸にUCCを退社し2008年にMi Cafetoを設立します。
そんな川島さんが今目指していることは、コーヒーの価値を上げること。
コーヒーの価値が上げれば、良いものを作る生産者はそれを作り続けることができる。
しかし喫茶店も量販店も、そう簡単にはコーヒーの値上げを認めてくれない中で、生産から消費までの流れの中で誰かが泣いている状態が続いているそうです。(例えば生産者や焙煎業者)
川島さんは、「僕は生産国にすごくお世話になりました。消費国に生まれ消費国の状況を熟知している僕の使命は、生産国と消費国の懸け橋になることだと思っています。だから持続的に安全で美味しいコーヒーが、消費者にとどくパイプを作っていきます。」と語ります。
「もしコーヒーで生きていけなかったら、自分の人生は本当にただ息をしているだけ」と言い切れるほど、全知全霊をかける川島さんがこれからさらにどんな仕掛けをされるのか、楽しみです。