2015.07.17 エンタメ心理学
「ビギナーズラックは再現できる?!」
お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんの小説「火花」が芥川賞に決まり、大きな話題になっていますね!
又吉さんは自他ともに認める本の虫ですが、作品を書かれたのはこれは初めて。
世の中には遊んだことのないゲームで勝ってしまったり、小さな子供がびっくりするような作品を作ってしまったりといったことが起きることがあり、私たちはそれをビギナーズラックと呼んでいます。
(又吉さんの場合は多くの読書経験と情熱、積み重ねがあり、ビギナーズラックというのは不適切かと思いますが)
しかし、ビギナーズラックというのは私たちの思い込みにすぎないものだといわれています。
ビギナーズラックを目撃したとき、私たちには自分の信じたいものを信じてしまうという「確証バイアス」が働いている可能性があります。
ベテランが初心者に負けたのを見たら、私たちは「ビギナーズラックが起きた」と思ってしまいがちです。しかし、ここで実際に起きているのは、その初心者を成功(勝利)に導いた環境を私たち自身がちゃんと認識できていないということ。
二人とも同程度のスキルだったのかもしれないし、ベテランは疲れていたかもしれないし、初心者はすでに同じような失敗をして反省した経験があったのかもしれません。
これをただのビギナーズラックと結論づけてしまうと、何が起きたかをきちんと説明できるデータを見逃すことになるのです。
また逆を返せばビギナーズラックだと思われている現象の本当の要因を突き詰めれば、その現象を再現できてしまう、とも言えます。
バイアスに左右されずに物事を見つめていきたいものですね。