才能は一瞬のひらめきではない
将棋棋士 羽生善治さん
日本の将棋には7つのタイトルがあります。
過去10年間だと延べ70人のタイトルホルダーがいることになりますが、なんとその半分の35人が羽生さんであったという計算になるのだそうです。
これだけの強さを保ち続ける羽生さんの力の源はどこにあるのでしょうか?
1996年2月14日に将棋界で初の7タイトル独占を達成。
7冠獲得から18年が経過した現在でも羽生さんの強さは健在です。
そんな羽生さんが将棋を始めたのは小学1年生のとき。
友達に将棋を教えてもらい、夢中になったことがきっかけで将棋道場に通い始めたのだそうです。
メキメキと上達し、6年生で小学生ナンバーワンを決める小学生名人戦に優勝。
同じ年にプロ棋士の養成機関である奨励会に入会。
ここでも圧倒的な強さを見せてスピード昇級。
そして、中学3年生の若さでプロ棋士としてデビューしました。
妹や母に将棋の相手をしてもらうものの、すぐに羽生さんが勝ちそうになってしまう。
そこで盤を180度回転させ、負けそうな場面から羽生さんが逆転するという方法を考え出して、将棋の練習をしたというエピソードは有名です。
また、大人向けの難しい将棋の参考書のような本を次々に読んで、将棋の指し方を覚えていったといいます。脅威的な上達は、自ら努力することで成し遂げられていたのです。
羽生さんは言います。
何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。
報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続しているのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。
羽生さんもかつては、才能=一瞬のひらめきだと思っていたのだとか。
しかし今は、10年、20年、30年と、同じ姿勢で同じ情熱を傾けられることが才能だと思っていると話します。
報われないかもしれなくても、結果が見えないかもしれなくても、
その不安に打ち勝ち、明るい未来を信じて力を注ぎ続ける。
自分を信じる力こそが、才能の源なのかもしれません。