2014.06.18 ツカエル組織論
依存が強い組織を生む?!
熱戦が続くW杯。
勝敗とともに各国の様々なプレースタイルの特徴が注目を集めます。
なかなか完璧なチームはないもので、特に相反する2つの特徴、例えば「個人技」と「組織的守備」を同時に備えることは難しいものですよね。
神戸大学大学院教授の鈴木竜太氏は、3つの組織に根付く些細な特徴、行動が成果に影響すると述べています。
その3つとは、
・職場で困っている仲間を助けたり、わからないことを教えたりするような支援行動
・職場でのルールや秩序を守るような勤勉行動
・自分なりに仕事を工夫したり、自分の仕事における能力を伸ばしたりするような創意工夫行動
であるとのこと。
しかしサッカーのチームと同様に、これらの要素を完璧に備えるのは難しいとも述べています。
例えば成果主義に基づく個人主義的なマネジメントでは、創意工夫行動は促進されても、支援、勤勉行動は生まれにくい。
また、理念や価値観を大切にし、組織へのコミットメントを高めるマネジメントでは、支援や勤勉行動は促進できても、特定の価値観でコントロールするがゆえに創意工夫を生みにくい。
このような相反する行動を促すために、鈴木氏が提案しているのが、お互いの関わり合いを強めること。
ここでいう関わり合いとは、業務における相互依存の強さを指します。
組織内のメンバーの仕事の進み具合や出来映えが個人の成果に影響する関係の中では、互いを気遣い助け合うことから支援や秩序が生まれます。
また他者との関わりの中で自分のアイデンティティを確率することから、自立的な行動も生まれやすいと考えられるのだとか。
強い組織づくりの一つの観点として、仕事の相互依存関係を確認してみてはいかがでしょうか?