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2014.08.04 イケテル仕事観

新しい時代に立ち、未来を創る

株式会社二期リゾート代表取締役 北山ひとみさん

 

顧客のみならず、名だたる宿泊施設の経営者が憧れ、「あそこは別格です」と言わしめる『二期倶楽部』。日本のスモール・ラグジュアリー・ホテルの先駆けとして1986年に創業してから今に至るまで、その魅力を保ち続ける秘密はどこにあるのでしょうか。

 

オープン当初の二期倶楽部の客室はわずか6室。

最初の構想では10部屋だったそうですが、建物の前に走る町道や周囲の自然とのバランスを考え、最終的に6部屋になったとのこと。

28年前の日本において、経済的実績をあげるための機能よりも、心理的効果に重点をおいた空間を優先させたことは大変革新的なことだったでしょう。

 

また、いわゆる豪華さに重きを置かなかったことも斬新な工夫です。

北山さんがそれよりも重視したかったのは、ゲストに共感を与える生命の響きをもつ空間をつくること。

 

毎年のように二期倶楽部を訪れていた顧客からこんな声をもらったことがあるそうです。

「別のリゾートに行ってきたんだけど、やっぱり二期倶楽部は違うわ。」

 

その背景にあるのは、ゴージャスな部屋や格別の何かではなく、日本人の持つ美意識、世界観に働きかける、考え尽くされた施設の構成。

 

例えば、二期倶楽部のシンボルともいえる宿泊棟の前の池の深さは5cmだそうです。

その理由は、それが波紋が一番きれいに見える深さだからであり、わずかな風にもさざ波がたち、四季折々の中で情景を変え、見る人の心をも投影するから、だといいます。

 

そんな細かな気遣いが、目まぐるしい毎日に疲れた現代人を深く深く癒してくれるのでしょう。

 

ここまでの施設を約30年に渡って進化させ続けるのは、北山さんが単に自分の美意識や好きなものを実現しているからではなく、自ら新しい時代に立ち、それにぴったりフィットする何かを生み出し続けているからに他ならないんですね。

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