手品のタネを売っているようなもの!? 研修会社が研修内製化を薦めるワケとは?
突然ですが、みなさん「研修内製化」という言葉聞いたことありますか?
最近世の中でも言われるようになってきたので、聞いたことがある、実際に取り組んでいるという方もいるかもしれません。
今日はこの「研修内製化」について、さらになぜ研修会社であるJAMが研修内製化を薦めるのかについてお伝えできればと思っています。
「研修内製化」とは?
●研修内製化の定義
研修内製化とは、簡単にいうと社内の人間が講師となり、社内の育成対象に教えるという研修方法になります。要は、研修にまつわる全てを社内で賄うということですね。
●家庭料理と外食?
JAMでは「研修内製化」を家庭料理に例えています。…家庭料理?と思う方もいらっしゃるかもしれませんので、ここについて少しお伝えさせていただければと思います。
みなさん、子どもを育てるときどれくらい外食を挟むでしょうか?または子ども時代を振り返ってみて、どのくらい外食をしていたでしょうか?おそらくほとんどの人が、外食はたまにでほとんど家庭料理で育てる、または育てられてきたとおっしゃると思います。だからこそ「家庭の味」という言葉があるくらいですからね。
上記の話を研修に置き換えてみましょう。それぞれの言葉は、子ども=社員、外食=外部研修、家庭料理=研修内製化となります。すると、逆転していることに気づきます。そう、日本の企業のほとんどが外部研修で社員を育てているんです。ただこれが悪いということではありません。外部研修をやることにもメリットはありますから、一概に判断することはできません。
ですが、ここで一つみなさんにお聞きしたいことがあります。
外食ばかりだと「家庭の味」ってわかるでしょうか?
●「家庭の味」は「企業らしさ」
研修の話に置き換えたとき、「家庭の味」が指すものは何でしょうか?私はその企業の「組織文化」や「風土」「(企業として何かを判断する際の)判断軸・考え方」だと思っています。
そう考えると、この「家庭の味」はとても大事ですよね。社員のロイヤリティやモチベーション、離職にも影響する要素ですから。
研修内製化の4つのメリット
●研修内製化のメリット1:教える人が一番育つ
一番最初に私が研修内製化の最大のメリットだと感じていることをお話しします。
私はコンサルタントとして研修講師もしています。様々な企業の様々な方と研修という場でやりとりさせていただき、研修をきっかけに少しずつ変化があるとすごく嬉しく感じます。ただ、研修講師として感じるのは実は私が一番伸びてるということです(笑) どういうことだと思われるかもしれませんが、通常人に教えるには教える量の3倍知識を持っていなければならないと言われていますよね。
講師としてフレームワークを教えるだけでは、本を音読しているのと変わりませんから、それでは意味がありません。フレームワークを実際の企業の現場例にして話す、もっと身近な親しみやすい例まで具体化して話すなど、その時の研修対象者に合わせて、レベルを変えて伝えなければなりません。
また本題が終わった後の質疑応答でも講師の力は試されます。
つまり何が言いたいかというと、結局教える人が一番育つんです。だからこそ、研修内製化をオススメしています。受講側の社員だけでなく、教える側(=講師役)の育成にもなります。
もしかしたら、管理職層が若手に教えるのが一般的だと思われるかもしれませんが、枠にとらわれてはいけません。新卒2年目が1年目に教えるというのも非常に有効です。JAMでは過去、新卒1年目が内定者に研修したこともあります。教える側に先輩としての意識を醸成できるので、こういう使い方もありだと思っています。研修内製化だからこそできる育成方法かもしれませんね。
●研修内製化のメリット2:共に成長に向き合う関係性を気づくことができる
講師役が社内にいますから、継続的な研修フォローを実現できます。通常業務をする中で「この間研修でやったところだぞ」と指摘できるので、研修と業務が離れてしまうといった悩みを解消しやすくなります。
また講師役を務めた社員も見る意識、見られている意識を持ちますからいい緊張感も生まれます。こういったことから、部署内の上司部下の関係性を超えた「教える・育てる」関係性を、社内の各所で創り出すことができます。
これは結果として、社員同士の関係性強化、さらにはエンゲージメントの向上にもつなげていくことが可能です。
●研修内製化のメリット3:定着しない研修からの卒業
研修内製化は「自社ごと化」がしやすいんです。当然ながら今までお伝えしてきたように講師役は自社の社員ですから、自社の状況に合わせたテーマ設定や事例の紹介・解説がしやすいため、仕事と学びがより結びつけてみやすいです。当社のサービスを導入しているお客様の中には「しくじり先生」を真似て、先輩たちが後輩たちへ研修するというところもあります。
このように仕事と研修が別々のものではなく、つながっているという意識を持ち、それが好循環を生むようになると、学びの主体性は高まります。
さらに自社内で研修を考えるワケですから、時間や場所を柔軟に設計することが可能です。場所や時間帯も最適な形で、より日常的に学びの機会を提供していくことができます。
●研修内製化のメリット4:共通言語の醸成
研修を経て「社内バズワード」のようなものができることがあります。講師派遣型研修の場合、受講した対象の層だけでその時扱われた内容のキーワード語句が流行るものの、研修を受けていない他の層には通じないので、使わなくなってしまうというのが普通です。
でも研修内製化の場合、教える側も教えられる側も社員なわけなので、共通言語がそこに生まれます。さらにそれが当たり前のように使われていると、新しく入ってきたメンバーにも知識として教えられていきます。結果として、社内の共通言語へと変わっていくわけです。この共通言語、バズワードは研修定着の印でもありますから、非常に重要な指標となり得ます。
また、共通言語ができることで意思疎通がしやすくなるという効果もあります。研修を内製化しているため、全員が同じように言葉を捉えられているので、やりとりの齟齬が発生しにくくなるからです。
JAMが研修内製化を薦めるワケ
●研修会社なのに内製化推奨?
でもなぜ研修会社であるJAMが研修内製化を薦めるのか?と思う方もいるかもしれません。しかもただ言っているだけではなく、私たちは実際に研修内製化を回していただくためのプロダクトも展開しています。
▼研修内製化支援サービス【研修素材 .com】https://kensyusozai.com
▼管理職育成のスタートアップキット【マネディク】https://manadic.com/lp/0001
マジシャンで言えばマジックのタネを売っているようなので、よくお客様からも不思議がられます(笑)
●キーワードは「自走する組織」
ではなぜか。それは、自走する組織が結局一番強いと思っているからです。
これは、JAMがなぜベンチャー・成長企業のお客様に特化したコンサルティング会社と言っているかというところにも関わってくる話になります。なぜここにフォーカスしているかについて端的に言ってしまえば、せっかく成長していっている企業が組織内部の問題でうまくいかなくなるのを見てきて、それはもったいないと感じたからです。だからこそコンサルティングで成長を後押しする、追い風を吹かせるように伴走していく存在でありたいと考えています。
ただ、いつまでも外部の力に頼ってしまっては組織の力が衰えてきてしまいます。それは私たちの本意ではないのです。ですから、まずは一緒に伴走し、徐々に自走できる状態へと移行していくというのがJAMのスタンスです。
だからこそ、自走できる組織になりたいというお客様とご一緒させていただくことが多いのだと思います。もちろん会社ですから、正直な話をしてしまえばずっとお付き合いできる方が良いです(笑) ただそれではお客様のためになりませんし、JAMが目指しているところとも異なります。
ただ、たまには外食も
●本日お伝えしたかったこと
ここまで、研修内製化(家庭料理)についてお話しさせていただきましたが、最後に一つみなさまにお伝えしたいことがあります。
研修内製化だけやればいい、外部研修はやめましょうということをお伝えしたい訳ではありません。確かに、自走できる組織は素晴らしいと思いますし、そういう組織が増えてきたほうがいいと考えています。ただ、研修内製化に向いているテーマは汎用的なスキル(コミュニケーションやロジカルシンキングなど)のものになります。技術の専門スキルについてや経営幹部等のグレードが高い層に関しては、プロフェッショナル(外部の研修会社や特化した人材からの講習など)に頼むのが良いと考えております。
外食と家庭料理にもシチュエーションなどを考慮した時に向き不向きがあるように、研修にも向き不向きがあります。先ほどお伝えした通り、扱う内容や研修対象者によって、さらには会社の考え方、状況、目指す研修効果によって適している研修スタイルは変わってきます。
だからこそみなさんにはいいとこ取りをしてもらえればいいと思っていま
す。
もし何か迷った際はまずは情報を浴びることをお勧めします。もちろんその際当社を使っていただいて構いません(笑)
何かお困りごと、相談いただけることありましたらいつでもご連絡ください。
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