理念はお題目?!
3月からスタートした今年のJリーグ。
これまでのJ1、J2に加えてJ3が創設され、クラブチームの数は52にまで増えています。
なぜここまでクラブ数を拡大しているのでしょうか?
その背景にはJリーグの掲げる理念の存在があります。
その理念とは、以下の3つ。
・日本サッカーの水準向上及びサッカーの普及促進
・豊かなスポーツ文化の振興及び国民の心身の健全な発達への寄与
・国際社会における交流及び親善への貢献
しかし、その理念に対してこれまでのJリーグが抱えていた問題は
・J2から降格した場合安定して経営できる環境がなく、結果としてクラブの消滅、サッカー人口の減少を招いている
・理念の推進とクラブ経営基盤強化の両方を同時に満たす仕組みが不十分である
ということ。
これらの解決のために最も良い手段ということで、今回決定されたのがJ3の創設なのです。
クラブ数を増加させ収益を増加させようとしているだけ、というふうに見ることもできるかもしれません。
しかしもし収益の向上だけを狙うなら、既存のチームの試合数を増やすことや、観客動員を増やすための広告に力を入れる、などといった販促の施策も検討できたでしょう。
新たなリーグをつくることには資金も手間もかかりますし、うまくいかないリスクも伴うものです。
それでもJリーグは、理念で掲げたことを実現するために今回の決定に至っています。
理念があることで組織の決定は変わる。
理念は決して、お題目ではないのです。
自分の所属する組織は何を理念とし、どんな決定を重ねているのか。
その理念を軸とした場合、自分にはどんなことが求められているのか。
もう一度振り返ってみたいものです。