「管理職は廃止できる?!」
アパレル系オンラインショップを運営するアメリカのZappos社は昨年、管理職、上司、会社役員などすべての階級を廃止すると発表しました。
これは「ホラクラシー」と呼ばれている、小さなチームや全体に権限を分散させるあるいは意思決定させることで組織を統治するシステムです。
「ホラクラシー」は昔ながらの上から下に命令を下す形態を「自律したサークル」のようなものに置き換えた形です。理論的にはこのシステムによって社員は会社の経営に関してより発言権を持つようになります。
根本的にはホラクラシーは人中心ではなく、やらなければならない仕事を中心に会社を組織するのが目的です。その結果、社員には肩書きが必要なくなるということ。社員は明確な目的を持っていくつかの職務を担当します。1つのチームや部署で働くのではなく、大抵は複数のチームの一員としてそれぞれの場所で特定の役割を果たすのです。
皆さんはこのシステム、イメージできますか?
あまりにも私たちの現状とかけ離れていてイメージしにくいのではないでしょうか?
そんなのうまくいくはずない!と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
現代社会では企業の管理業務や管理職というものが既成事実として受け入れられています。
しかし、現代の知的労働者に対して行われている管理体制の多くが100年も前に部品製造工場で生まれたものだということ、皆さんはご存知でしたか?
多くの企業で見られる階層構造は工場の機械的工程と労動者の身体的な動きから効率を重要視する、フレデリック・テイラーの概念に根ざしています。(科学的管理法)
テイラーの手法は現在の組織マネジメントの主流になりましたが、彼が生きていたのは間違いなく今とは異なる時代だったでしょう。
ではそのやり方が本当に今の時代にもあっているのか?
そんな根本的問いに応えるザッポスの取り組みに今後も注目していきたいものです。