「コミュニケーションの炎上を防ぐには?!」
先週の組織論では、ネガティブフィードバックの必要性についてお伝えしましたが、今回はそのやり方についてお送りしたいと思います。
世の中でもいろいろなところで著名人が『炎上』を繰り広げていますが、多くの場合がネガティブな内容について伝え方を誤っているように思います。
部下に対してもネガティブな内容を伝えるときは一層の注意が必要です。
特に注意したいのは「破壊的批判」と「微妙な侮辱」。
「破壊的批判」とは心理学者が使う言葉で、攻撃的な口調で伝えられるフィードバックや、業績不振の理由を本人には変えられない生得的特質のせいだと暗に示唆するようなフィードバックを指すものです。
少し極端な例ですが、例えば編集者のライターに対するこんなフィードバックがそれにあたります。
「この記事は悪いジョークだよ。明らかに一貫した論旨を展開するだけの知性がない人が書いた文章だね。」
当然ながらこの種のフィードバックに対してたいていの人は怒りの反応を示すそうです。また、フィードバックを与えた相手への信頼を失いその後も業績を向上させようと努力しなくなるそうです。
ある程度まっとうな人なら、「破壊的批判」がこのような影響を持つことは推測ができます。
しかし、注意したいのは「微妙な侮辱」です。
「微妙な侮辱」とは、表面上は丁寧に見えても、暗に相手のことを侮辱しているフィードバックのことをさします。
例えば、スペルミスなどの些細なミスをしつこく指摘するのは、お前はこんなミスも見つけられない無能者なのだ、と暗にほのめかしていることになります。同じく、簡単に思いつくはずの解決策を指摘するのも(スペルチェッカーを使うだけでよかったのでは?など)、お前は頭が悪い、とか、努力が足りないというメッセージを送ることになります。
つまり、いくら丁寧な態度をとり相手の生まれつきの能力を否定しないよう気をつけたとしても、それだけでは不十分なのです。
しかも、相手のミスやマイナスポイントを見つけて、自分自身が少し感情的になっているタイミングで、です。
こうして考えてみると誰かにフィードバックを与えるときは、事前に自分の考えと相手に伝えたいメッセージをよくよく精査する必要があることがわかりますよね!