2015.05.25 イケテル仕事観
「元の自分に戻りたいではなく、ここから新しい自分を始めよう」 プロフィギュアスケーター 鈴木明子さん
浅田真央選手の現役続行が話題となっていますが、浅田選手とともに日本のフィギュアスケートを牽引してきたのが鈴木さん。
天才肌だった浅田選手と比べるとどの課題もマスターするのにも人一倍時間がかかったという鈴木さん。
それでも地道な努力が功を奏し、15歳で全日本選手権4位にまで駆け上がります。
しかし、大学へ進学した18歳の年に摂食障害を患ってしまいました。
女子選手が必ずぶつかる体形の変化という壁。それを意識しすぎるがあまり食事制限で自分を追い詰めてしまったのです。
体重は激減し医師には入院を勧められ、周囲からはスケートも大学もやめることを勧められたのだといいます。
しかし鈴木さんはスケートをやめたら何も残らないし、未来さえも絶たれるよう気がしてそのほうが怖いと考え、スケートに戻る道を選びました。
そうして1年のブランクを経て19歳で競技人生を再スタートさせます。
そのとき彼女は「元の自分に戻りたい」ではなく、「ここから新しい自分を始めよう」と気持ちを切り替えたのだそうです。
地方予選からの挑戦でしたが大会ごとに力をつけ、06〜07年のユニバーシアード冬季大会で優勝。見事、復活を果たしたのです。
その後28歳で全日本選手権初優勝、五輪ではバンクーバー、ソチの2大会連続8位入賞という快挙を成し遂げます。
誰でも挫折や失敗を経験すると自分を肯定したくなり、成功を収めていた過去の自分を取り戻そうとしてしまいがちです。
そこで過去ではなく未来を見て、新しい自分を始めることに目を向けたところに鈴木さんの強さがありますよね。